• 垣根涼介『ゆりかごで眠れ』単行本

  • 垣根涼介『ゆりかごで眠れ』文庫本

  • 垣根涼介『ゆりかごで眠れ』文庫本

生れ落ちた世界に安住の地を見出せず、あがき、さまよい、蠢き、その絶望の世界を生き抜くために、次第に人格を現実から乖離させていった人間たちの物語です。そんな彼らの心の『うつろい』を、是非ご覧いただければと思います。

2009.3.25 中公文庫 文庫本 上巻620円 下巻600円
2006.4.10 中央公論新社 単行本 1,890円

分かるね、リキ。憎しみはね、檻だよ。
どんなに正しい生き方をしようが、
どんなに真面目に働こうが、
心に憎しみを飼っている人間を、
神様は明るく照らしてはくれない。

分かるね、リキ。憎しみはね、檻だよ。どんなに正しい生き方をしようが、どんなに真面目に働こうが、心に憎しみを飼っている人間を、神様は明るく照らしてはくれない。

 一年がかりで書き上げました。原稿総量は、約九百枚。
ワイルド・ソウル』以来、三年ぶりの書き下ろしの本です。
ワイルド・ソウル』や『ヒートアイランド』と同様に犯罪小説の形式を借りてはおりますが、今回のテーマを表すにはこのジャンル形式が最も適していたからで、私にとってジャンルとは単なる手段に過ぎません。
 主人公は、日系コロンビア二世のシンジケートのボス『リキ・小林・ガルシア』。彼は、浮浪児だった少女『カーサ』を引き取って育てています。この擬似親子が日本にやって来たところから話は始まります。
 やがて『若槻妙子』という元刑事が、ひょんなことからこの擬似親子の日常に絡んでいきます。妙子の元情夫であり、現職の刑事でもある『武田和重』も、重要な役割を果たします。
 生れ落ちた世界に安住の地を見出せず、あがき、さまよい、蠢き、その絶望の世界を生き抜くために、次第に人格を現実から乖離させていった人間たちの物語です。でも、現実の世界は、時には静謐に、時には美しく、時には無慈悲に、いつも彼らを包んでいる。
 そんな世界で生きる彼らの心の『うつろい』を、是非ご覧いただければと思います。

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