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Vol.008
第七作『君たちに明日はない』(新潮社)、三月末日に発売です!

2005年3月22日

どうも皆さん、ご無沙汰しております。垣根です。

つい先日まで、ある雑誌の企画で南アフリカに行っておりました。南アフリカ共和国という「いびつな構造」を持つ国から、何か小説のテーマとしてインスパイヤーされるものがないかと思い、喜び勇んで出かけたのです。が、結果的には(少なくともぼくが小説で追っていこうとしているテーマに関しては)ほとんど何も感じるモノがなし。

白人のアングロサクソン文化と黒人のアフリカ文化が、まるで水と油のように乖離している土地柄でした。異文化が融合することを知らず、その土地独自の風土にまで醗酵していない国には、所詮はニュアンスなど生まれるはずがないのかも知れません。

でも、気候はいいし、モノ成りは豊かだし、自然はまるで絵葉書のように美しい景色ばかりだし、何も考えずに純然たるレジャーで行くには、これほどいいところはないでしょう。さすがにアフリカの植民地の中で、白人が唯一手放さなかった場所です。

さて、前置きが長くなりましたが、ぼくの第七作が新潮社より三月末日に出ます。小説新潮に掲載してきた『チョーカー』を改め、『君たちに明日はない』という題名になっております。

主人公は三十三歳のクビ切り専門の面接官、村上真介。つまりはリストラのプロフェッショナル。この彼が、面接者との様々な極限状況の中でなにを感じ、なにを思うのか、と言うところが一番の見せ所です。とはいえ、この主人公も私の一連の作品に洩れず、どこかお気楽で間抜けな男なので、べつだん暗い話ではありませんよ。

さらに詳しい内容をお知りになりたい方は、ぼくのホームページ上にアップしてあるブックリストを見ていただければと思います。

いよいよ三月も終わりです。人事異動やら入学やら入社で、四月から新しい生活環境に身を置く人も多いのでしょうね。ではでは。

垣根涼介

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