information

Vol.015
みなさんお久しぶり!
『真夏の島に咲く花は』、10月12日に発売です。

2006年10月6日

みなさんこんにちは。ドーニングメールは小笠原に行く前に書いて以来ですから、三ヶ月ぶりぐらいになりますね。

二週間の小笠原取材から帰ってきてからも、京都や新潟や長崎に行ったりとバタバタしておりまして、いつのまにかこの季節です。愚者の人生は、気がつけば瞬く間に過ぎてしまうといいますが、たぶんぼくのことかな(汗)。

さて、去年より講談社のWebマガジン『MouRa』で一年ちょっと連載していたものが、いよいよ本になります。『真夏の島に咲く花は』という、フィジーを舞台にした男女四人の青春小説です。『ワイルド・ソウル』系を第一の極限軸、『君たちに明日はない』を第二の極限軸とすれば、これは今後、私が小説を書く上での第三の極限軸となります。(ああ、垣根はこんな物語も書けるんだ)と思ってもらえれば嬉しいです。読んでみてね。

あとは近況などをボチボチと語ってみましょう。
新聞や雑誌などの記事ですでにご存知の方もいらっしゃると思うのですが、まずは映画化情報です。

今年の七月から撮影に入っていた『ヒートアイランド』、八月下旬にクランクアップしました。来年の夏には全国ロードショー予定です。暴力シーンも多少あるので、R-18指定(笑)。

それと、『ワイルド・ソウル』。こちらの映画化も順調に進んでおります。十億オーバーの制作予算ですので、けっこうな大作になります。現在、スタッフがブラジルへと現地調査に行っております。再来年の夏ごろには公開予定。
『君たちに明日はない』の第二弾、(報告が遅れましたが)小説新潮で隔月で五月号から連載しております。最新の九月号には第二弾の三回目の話が載っております。連載終了は年内を予定。単行本化は来年六月ごろの予定です。

それと、こちらも全然報告していなかったのですが、隔週のクルマ雑誌『CAR&DRIVER』で今年の初めよりコラムを連載しております。クルマにまつわるぼくの体験談を書いております。何かの折には読んでね。

ついでに最近の雑誌で言えば、『ゲーテ』(幻冬舎)の十月号と『キング』(講談社)の創刊号に、私の記事が載っています。『ゲーテ』では、柄にも合わず服のモデルをやっております。『キング』はサントリーとのタイアップ広告なので、ま、お酒の話題を無難に答えております。

さて、私事ですが、私の祖母が今年亡くなりました。
享年103歳。蓮池鍋島藩の娘が佐賀南部の裕福な網元の家に嫁ぎ、生まれたのが私の祖母です。蝶よ花よと育てられ、花嫁道具を満載した帆船に乗って有明海を越え、私の実家に嫁いできて、子を七人も成しました(実はその長男の息子が、ボクですが……)。

終戦後の農地解放まで、家事というものを一切したことがなかったようで、たしかに私も、祖母が家事をしている姿をほとんど見たことがありませんでした。そのような祖母でしたので何かと気位が高く、娘や息子たちにもよく迷惑をかけていました。

それでも葬式の出棺のときは、彼女の娘である叔母さんたちがわあわあ泣いている姿が、目に痛いほど鮮やかに沁みました。
血というのは、濃いものですね……。
ある意味ゴッドファーザーの世界です。

垣根涼介

※こちらの内容は、メルマガ「垣根涼介 Dawning Mail」にて配信しております。配信をご希望の方はこちらよりお申し込みください。

トップへ