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Vol.036
文庫発行 & テレビドラマ & 新刊情報のお知らせ…その他もろもろ

2009年10月23日

どうも大変ご無沙汰しました。

ここ三年ほど苦しんでいた精神の病からもほぼ開放されつつあり、主治医によればほぼ九割の仕上がりだと言われました垣根です。ふう。

で、最近の私は何をやっているかと申しますと、五月頃から徐々に本格的に仕事に復帰して、現在は、日々、体力的には八割ほどのパワーをかけて執筆をこなしております。ここぞというときにマックスのパワーをかけると(反面、そんなときはかけざるをえないのですが)まだ神経がグズグズになって、復調するまでに三日から一週間、廃人同様の時間がかかります(苦笑)。

さて、しばらくぶりのメールですから、皆さんに色々とお知らせすることがあります。
長くなりますよ(笑)。

で、何を言いたいかといえば、私、この番組で発言した内容は、かなり上滑りしております(苦笑)。多少生意気なことを言ったようですが、ご勘弁を。

まずは文庫の発刊からいきましょう。
10月28日に、『借金取りの王子』と『ワイルド・ソウル(上・下)』が新潮社文庫より同時に発売されます。

(え? だって『ワイルド・ソウル』は、もう幻冬舎文庫であるじゃん?)と思われる方もいらっしゃるかも知れませんね。
実はいろいろな事情があり、このたび新潮社文庫でも出すことになったのです。ただ、この件を快諾していただいた幻冬舎の編集担当者ならびに見城徹さんには、心から感謝しております。その経緯を思い出すたびに、漢(おとこ)だな、と思います。

ちなみに今回、この二つの文庫の解説の解説を書いていただいたのは、文芸業界の方ではありません。『借金取りの王子』が宅間孝行(脚本化・俳優)、『ワイルド・ソウル』が宮沢和文(ミュージシャン・『ザ・ブーム』のリーダー)という方々です。

宮沢和文さんが何故『ワイルド・ソウル』の解説を書いてくれたのかは、解説は要らないでしょう。ブラジルつながりということがポイントですね。

次に、宅間孝行さんです。
NHKの朝の蓮ドラ『翼』にも出ていた俳優さんですね。脚本家(旧名サタケミキオ)としても『花より団子』など様々な実績がある方で、実は、二年前に公開された映画『ヒートアイランド』の脚本も、彼の手によるものです。

悲しいかな、映画自体はそんなにヒットしませんでしたが、それでもぼくは彼の脚本には大変満足していました。なによりもユーモアを軽く転がすセンスが素晴らしい。
以来、たまに会って飲んだりしています。

そして、ここからが本題です。
既にメディア報道などでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、『君たちに明日ない』&『借金取りの王子』が、来年1月16日(土曜)の夜九時より、NHKで連ドラになります。ドラマのタイトル自体は『君たちに明日はない』です。全六話で、二月の末までですね。主演は坂口憲二、田中美佐子、須藤理沙、麻生裕未、堺正章(敬称略)などの方々です。

で、この脚本を宅間さんが手がけています。というか、以前の企画立ち上げのときに、ぼくが宅間さんを指名したらしいということを、番組のプロデューサーから聞きました(すっかり忘れていました……間抜け)。
ドラマ・映画は、まず脚本がありきですが、期待通りの素晴らしい仕上がりとなっています。皆さん、放送開始をお楽しみに。

次に、単行本の新刊情報です。
まずは『君たちに明日ない』の第三弾が、来年1月の上旬に新潮社より出る予定です。題名は未定。というのも、今必死に書いている最中だからです(苦笑)。半ばまで書き終わりましたが、11月末までに全校を脱稿しなければなりません。これからどうなることやら……。

さらに、『ヒートアイランド』の第四弾、『サンクチュアリ』が来年四月に発売予定。これはもう脱稿していますので、予定通りに出せると思います。

おぉ…そう言えば新聞連載を終了したというのに、もう二年間も書斎に転がしたままの800枚のゲラもあります。中央公論新社より出す『めだかの学校』。
しかしこれは、最も病気がひどい最中に書いたので、まだ見直すのが辛いです。発売までにはもう少し時間を下さい。

そして最後に、さらに文庫発売情報を二冊。
来年の二月に『真夏の島に咲く花は』(講談社文庫)が、そして来年の四月にはリニューアルした『ギャングスター・レッスン』(文春文庫)が発売の予定です。
これはまた、近々になりましたら改めてお知らせしますね。

……とまあ、こんな感じでしょうか。
最後にぼくの精神面ですが──上手く言えないのですが──最近は『生きている喜び』のようなものを実感できる日々が多くなったような気がします。

むろん仕事は大事です。ある意味、命賭けてます。
でも、仕事で身を削りすぎると自分の存在自体が崩れ、果ては仕事自体も台無しにしてしまうという自明の理に、ようやく気づきました。

楽しみを持ちながら書く。楽しみを持ちながら生きる。これが、基本のような気がします。
まだ薬も飲んでいますし、もちろん辛いときもありますけどね。
でも、人生も仕事も、Keep Walking──。

では。

垣根涼介

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