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Vol.041
雨の日 &『ボーダー』発売

2010年4月16日

さて、四月ももう中旬ですが、なんだかこのところ寒いですねー。雨もよく降るし。

私は基本的に、雨の日はほとんど自宅から出ません。昔から雨天の外気に触れるのが、非常に嫌なのです。数年前に『心の病』を患ってから、余計その傾向が甚だしくなりました(苦笑)。今はずいぶんと楽になりましたがね。

その点、今のぼくの仕事は恵まれているなあ、と思います。気が向かないときは、家から一歩も出ずに仕事を出来ますからね。
以前に十年ほど勤め人をしていた頃を思い出すと、こんな雨の日に朝から出勤する人は大変だろうなあ、とつくづく思います。
むろん、今の仕事だって精神的にかなりきつい部分もありますが、では、勤め人の時だって辛くなかったかと言われれば、(こんチクショ〜)と思うことも多々ありました(笑)。

ただ、その辛さの質が違います。言ってみればその精神的なきつさは、組織の中で一個人として存在することの、『その存在の理不尽的な辛さ』ということに尽きますかね。
これは、『君たちに明日はない』シリーズを書いていて、つくづくそう感じたことです。

さて、前置きが長くなりましたが、文芸春秋より新刊発売のご案内です。
『ボーダー ヒートアイランドIV』です。4月24日の発売です。

前作の『サウダージ』から、数ヵ月後の話。とは言いつつも、この時点でシリーズ一冊目の『ヒートアイランド』でのチーム『雅』の解散から三年近くの歳月が流れています。
現在のアキは例によって裏金強盗に精を出す日々の一方、カオルはなんと大学生になっています。昔の過去をいっさい表に出さず、しれっとした顔で、東大駒場キャンパスに通っている毎日です。このヤロ(笑)。

ところがある出来事をきっかけに、この元リーダーとサブ・リーダーが再会する、というストーリーです。もちろんアキの指南役『桃柿』コンビも健在。
ちなみに東大生になったカオルのクラスメイトに、中西慎一郎が居ます。覚えていますかね?『午前三時のルースター』で、ヴェトナムに父親を追っていった少年です。彼もまた、ストーリーでアキとカオルに濃密に絡んできます。
この若者三人と『桃柿』コンビの、その後の生き方をご覧いただければ幸いです。

ところで……この本の表紙を飾っているホイールは、アテのクルマです(苦笑) 。
では。

垣根涼介

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