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Vol.060
「室町無頼」が、『第六回 本屋が選ぶ時代小説大賞』を受賞しました。

2016年11月25日

みなさん、どうもこんにちは。

さて、拙著「室町無頼」が、『第六回 本屋が選ぶ時代小説大賞』を受賞しました。

掲載誌のオール読物12月号の発売に合わせて、公式発表となりました。
この賞は、評論家の方々が今年面白かった時代・歴史小説の中からまず十作を候補とし、さらにそれを版元の文芸春秋が五作に絞り、その五作の中から書店員の方々が大賞を決めるというものです。で、今年は拙著がその賞を頂くことに相成りました。

私は、これまでにいくつかの文学賞を頂いてまいりましたが、それらはみな(私と同じ)作家が選考委員の文学賞でした。むろん、同じ書き手の先達に評価されるというのは、とても嬉しいものですし、自信にも繋がります。
ですが、読者に最も近い書店員の方々からこうして賞を頂けたのは初めてのことで、「面白い」と評価してもらえたのは、また違った意味で大変に感慨深く、光栄なことです。

私が書く小説は、(自分でも自覚はしているのですが)そのテーマ取りや、人物や事象の見せ方、語り口に、やや自分なりの趣向というか偏りがあり(苦笑)、それを好んでもらえるかもらえないかで読者の評価が分かれることは――(でも小説って、本来そういうもんだろう?)――とは思いつつも、多少気にしておりました。
まあ、それでも「好んでくれる人が好んでくれればいいや」と、割り切って書いてきましたが、やはりこうして評価してもらえるのは、とてもありがたいことです。

いやー、しかし最近、常々思うのです。
「自分の人生は自分一人のものなのではなく、自分の周囲にある様々な人生の集合体で、初めて成り立っているのだなあ……」と。
今回、このような賞をいただけたのも、これまで熱心に私の本を買っていただいた読者の皆さんや、小説という媒体に関連する色んな方々の応援があった上でのことだという事を、改めて噛みしめております。
おかげさまで、いい年の瀬となりそうです。
ありがとうございました。

垣根涼介

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